第53回日本病院・地域精神医学会を聴講して その1「精神科救急」

救急出動した救急車が1回の出動に要した時間がなんと7時間。

この驚異的な現状は何が原因なのでしょうか?

精神疾患で救急要請された場合でも、まずは脳疾患の疑いが除去されないと

精神科病院が受け入れてくれないということに原因があるとのことでした。

まず一般病院でMRIをとって脳疾患の疑いを否定した後、精神科病院に搬送しているとのこと。

これでは精神科のある総合病院でなければ現実的な精神科の救急対応は出来ないのではないかとも

考えましたが、一方で先日、別の県の話ではありますが、

民間の精神科病院が精力的に精神科救急に取り組まれていて、

検査も行っているという話も伺ったばかりなので

受入れ体制の問題なのかもしれません。

また、40万人の人口で年間の精神科への救急搬送は400人程度。

11件では検査技師を待機させる訳にもいかないのでしょう。。。。

搬送される救急患者の8割以上が軽症患者であるとの指摘も考えさせられました。

これに対してコールセンターに寄せられる件数は、本人、家族等から1日20~30件。

夜間や休日対応に関する啓蒙パンフレットを配布して、この数年増加の一方だった件数が

落ち着いてこの件数になったとのことでした。

病院がコールセンターを整備することは、今後患者受け入れ窓口としては有効かもしれません。

 

パネリストの方々からは、救急搬送がゼロとなるようなきめ細かい地域フォローが

出来ることが理想であるとの話がありました。

今後ますます多くなるだろう長期入院患者の社会復帰に対応するためには、

精神科救急の更なる充実が望まれますが、現状では人材不足であり、

そのために少ない人数で対応可能な範囲の対応にならざるを得なくなっているという

現場の方々の苦悩が垣間見ました。

精神科救急の出来る医師や看護師の養成が急務であり、予算も確保していく必要がある

との指摘がなされていました。人材育成については、予算がついたからといって

すぐには解決できる問題ではないので、最前線で頑張っている方々の大変さは続くのでしょうが、

身体を壊さずになんとか持ちこたえていただきたいと思いました。

 

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