今回の診療報酬改定で、地域包括ケア病棟入院料の包括範囲から、手術料・麻酔料が除外されました。
この病棟の本来の機能はポスト・アキュートとサブ・キュートであり、急性期機能である手術・麻酔はなじまないように感じられます。
この改定の厚労省の真の目的は、別のところにあると考えられないでしょうか?

ポイント1 包括範囲から手術料・麻酔料を除外!
一般急性期から地域包括への移行は進むか?

今回の改定で、これまで地域包括ケア病棟入院料の包括範囲であった手術料・麻酔料が外れることとなり、地域包括ケア病棟でも手術等があった場合は算定できることになります。
急性期にこだわる病院にとってもこの病棟への移行のハードルは低くなったと言えるのではないでしょうか。

ポイント2 本来の機能はポストアキュートとサブアキュート
なぜ、手術料が外出しになったのか?

この病棟の本来の機能は急性期後の在宅復帰を目指すポストアキュート機能、そして在宅での急変に対応するサブアキュート機能であり、この改定には若干の違和感を感じます。
これは遅々として進まない急性期病棟の地域包括ケア病棟への移行を是が非でも進めたいという、厚労省の意図(焦り?)が垣間見えるものといえないでしょうか。

ポイント3 DPCデータの提出義務!
ポストアキュートの実態を知って、それから?

新設当初から、この入院料の算定にはDPCデータの提出が義務化され、高い報酬が設定されています。
これは急性期以外の病棟における治療の実態を明らかにし、それに見合った報酬制度の設計に向けた基礎データの収集が大きな目的ではないか、と考えられます。
高い報酬設定は参加病院を増やし、より多くのデータを集めたいという厚労省の意図も垣間見えます。
この病棟の恩恵を長く受けたいなら、早い時期の転換がお薦めです。