前回までの診療報酬改定は、回復期リハビリテーション病棟は重度の患者さんをより受け入れ、回復につながるプロセスを提供できる体制をより整えた病棟が評価される、評価充実路線でした。
しかし、今回の改定ではプロセスに加え退院時の回復度合を評価するという新たな基準が加わり、確実な成果が求められるようになります。
回復期リハ病棟は量的な整備にある程度めどが立ち、今後は質が問われる時代に突入する、大きな転換点にあると考えられます。

ポイント1 1日あたり6単位以上リハビリ提供する場合
一定レベル以上の成果が求められる

今回の改定で、1日当たり6単位以上リハビリ提供する場合は一定以上の成果がないと6単位を超える分は出来高算定できない上、リハビリ充実加算の対象からも除外されてしまいます。
算定除外患者の規定はあるものの、6単位以上リハビリを提供していながら患者の生活能力を十分に回復させられない病院は、大きく減収することになると予想されます。

ポイント2 成果を評価する計算式は、より短期の退院と
より高い回復度を求めている

計算式の分母は在院日数を標準日数で除した数であり、在院日数が短いほど小さくなり、成果の評価は高まります。
分子は、退院時のFIM点数から入院時のFIM点数を控除した数であり、入院中の回復度合いが高いほど成果の評価は高まる仕組みです。

評価の計算式(27を下回ると算定できない)

ポイント3 算定控除対象は成果の上がりにくい患者群
重症患者をみる割合が高いと特典も!

算定式の控除対象になるのは、入院時の運動項目FIM点数が低すぎる、あるいは高すぎて改善が難しい患者や認知項目FIM点数が低い、あるいは80歳以上で診療上の指示が通じにくい患者などで、全体の30%未満の範囲で認められます。
一方、“高次脳機能障害”の患者割合が40%を超える場合はその患者を算定対象から全て外してもよいなど、難度の高い患者を多く入院させている病棟には相応の特典が用意され、その受け入れを評価しています。