費用の算出方法
ファイナンス・事業収支に関するwebセミナーの4回目は、『費用の算出』についてです。その費用の中で、最も大きな割合を占める人件費について、
・診療報酬上の人件費
・医療法施行規則上の人件費
・その他の人件費
といった分類で解説します。
下記にレジュメから、費用の算出方法に関する記載を補足掲載します。
■費用の算出方法
病院で発生する医業費用は、固定費と変動費に分類し算出します。
固定費とは、病院の収益や患者数の増減に関係なく、一定に発生する費用を表します。具体的には、以下の(1)人件費、(3)地代・家賃、(4)リース料、(5)減価償却費、((6)その他の費用の一部)、(7)固定資産税等、(8)支払利息が該当します。
反対に、変動費とは、病院の収益や患者数の増減に左右し、比例して発生する費用を表します。具体的には、以下の(2)医薬品・医療材料・委託費、((6)その他の費用の一部)が該当し、収益に対する構成比率によって表すことができます。
(1)人件費
まず、職種別に必要な人数を割り出し、職種別の平均給与単価を乗じることにより人件費が求められます。月額給与は、病院の職種別給与単価を確認するか、統計資料として経営書院『病院賃金実態資料』、各都道府県及び政令指定都市人事委員会による「職員の給与等に関する報告及び勧告」等を活用し算出します。また、近隣医療機関の職員を募集するパンフレットや求人雑誌などに掲載されている数字を参考にするとよいでしょう。
(2)医薬品・医療材料・委託費
医薬品、医療材料・委託費については、収益に対する構成比率を乗じて算出します。この比率については、一般的に既述した全国公私病院連盟・日本病院会『病院経営実態調査報告』ならびに独立行政法人福祉医療機構『病医院の経営分析参考指標』を活用します。 また、同費用については、物価上昇率等を考慮することも必要となります。
(3)地代・家賃
土地・建物を賃借する場合、地代・家賃が発生します。賃貸借契約にて、予め契約更新時の費用や地代・家賃の見直しが分かっている場合、この点も考慮し事業計画を作成することが必要となります。
(4)リース料
医療機器や什器等をリースで調達する場合、その契約期間中のリース料の支払が発生します。また、リース契約満了時に、今回導入した医療機器等を再リースするのか、または一部を再リースし、消耗の激しい医療機器や技術革新の早い検査機器等を新たにリース契約するかなど、将来の診療機能を想定することは、長期の事業収支計画を作成するうえで重要なポイントとなります。
(5)減価償却費
減価償却費とは、固定資産を購入する際の費用を、その経済的な効果が見込まれる期間を通じて合理的に配分することを意味します。この期間を法定耐用年数といい、同年数にて償却する(費用化する)ことで期間損益に反映させ、より実態に近い経営状態を表します。病院の場合、減価償却費として対象になる資産は、建物およびその付帯設備、医療機器、什器、医療情報システム等が挙げられます。
減価償却費についても、先の(4)リース料同様、法定耐用年数経過した後に、今回購入した医療機器等を継続して使用するのか、または一部は継続使用し、消耗した医療機器や技術革新の早い検査機器等を買い替えするかなど、将来の診療機能を想定することは、長期の事業収支計画を作成するうえで重要なポイントとなります。
(6)その他の費用
その他の費用とは、通信費、水道光熱費、備品消耗品費、広告宣伝費、各種保険料などを表します。
この中で、固定費に該当するものと変動費に該当するものが考えられますが、簡便的に算出する方法としては、先の(2)医薬品・医療材料・委託費同様、全国公私病院連盟・日本病院会『病院経営実態調査報告』ならびに独立行政法人福祉医療機構『病医院の経営分析参考指標』が挙げられます。
また、同費用についても、物価上昇率等を考慮することが必要となります。
(7)固定資産税等
固定資産税等とは、土地・建物や医療機器等を購入した場合に発生します。
土地・建物は各々に評価額に税率を乗じたもの、医療機器等の資産については各々の帳簿価額(簿価)に税率を乗じた金額となります。
(8)支払利息
金融機関から借入する場合、金利(変動金利・固定金利)、償還期間(据置期間も含む)などの借入条件を確認したうえで算出します。
尚、これまでお示しした費用の合計額を収益から差引いたものが営業(医業)利益で、そこから支払利息を引いたものが経常利益となります。この金額から税額を引いたものが当期の税引後利益となり、これに非現金支出項目(減価償却費等)を加え、先生の生活費を差引いた金額が借入元金の償還財源となります。
- 2006/10/16 in
- 事業収支
- by Yas
トラックバックURL:
http://medical.toda.co.jp/cms/mt-tb.cgi/97
コメント
コメントを投稿する
(当ブログでは不適切なコメントを防止するため、コメントを掲載する前に管理者がコメントの内容を確認しています。コメントを初めて投稿する場合すぐに掲載されませんが、管理者が適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)
トラックバック